猫屋仲見世通り

カテゴリ:夢( 5 )

文字化け書店

はい月曜日です。いやですね、週始めは。

ひさびさに夢の話です。
久しぶりだけあってとびきりおかしな夢でした。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

いつもの本屋へ行く。
いつもと同じ書棚にいつもと同じ店員のエプロン。
てけてけと文庫本のコーナーまで歩いて、一冊を書棚から抜き出す。
中身が文字化けしていて読めない。
新潮も文春も角川もだめだった。
新書も実用書もコミックも全部。

他の人はみんな平然と立ち読みしているのに、私だけ、文字化け。

途方に暮れて洋書のコーナーまでよれよれと歩いて行くと、洋書があるべき場所に、見慣れないカウンターができている。

「テキストエンコーディング」のささやかな看板。
係員はベストに眼鏡の黒兎。

「あのぅ」
おそるおそる声をかけると、黒兎は顔をあげた。長い耳と鼻をひくりと動かす。
「文字化けしてるんですけど…」
黒兎は眼鏡をふさふさの手で押し上げた。
「あんたmacやろ」
なぜか関西弁。
「は?」
「ここは基本winやからな。SHIFT-JISが多いんや。デフォルトだとようけ読めへんで。設定変えたるさかいに」
そう言って、PCの画面を見ながら私の人差し指をぽんぽんと叩く。
「ほれ、読んでみ」
絵本を渡される。『ぺんきや』。
中身も今度はすんなりと読めた。
私は安心して、絵本を黒兎に返した。
「ありがとうございます。助かりました」
黒兎は絵本を受け取ると、眼鏡を押し上げながら、私の目を見つめた。
猜疑心の強い老人のような目だった。

「…あんたなぁ、なんやうまくいかんこととか、嫌なことがあってもな、すぐにうろたえたらあかんで。落ち着いてしっかり自分と周りを見んといかんよ。案外大したことなかったりすんもんなんやから。
自分には神さんがついとるーくらいに思っとき。ええな?」
なぜ兎に説教を…と思ったが、あまりにも真摯な物言いに、思わずがくがくとうなずいてしまった。
黒兎は鼻をひくりと動かすと、それきり口を噤んで視線をまた手元に落としてしまったので、私もその場を離れた。

全部読めるようになった文芸書の棚から、穂村弘の『世界音痴』を買った。

そして、音痴は私だよな、と思いながら、ゆらゆらとエスカレータをのぼる。
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by nyankoya | 2006-03-13 09:49 |

9月に、改札で。

年の瀬ですが、割合に落ち着いた日々です。
単にやるべきことをさぼっているだけですが…。

またしても夢の話。
今回はとても奇妙な夢でした。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
寒い季節だった。
私は男で、常にある特定の誰かと行動を共にしていた。
夜の街を彷徨い、盗み、騙し、喧嘩に明け暮れていた。

何もかもがつまらないと感じていた。

薄汚く、マイナスの感情ばかりが染み付いた、混沌とした街。
それが私と誰かの住みかだった。

ある日いつものように夜の街を歩き、酒を飲み、いつものように喧嘩が始まった。
ただひとつだけ、いつもと違うことが起きた。

相棒が喧嘩相手を殺してしまったのだ。

私たちは逃げた。
凶器のナイフを捨て、血の付いた服を捨て、がむしゃらに走った。
やがて川べりに出て、追っ手が来ないことを確かめると、相棒は分かれて逃げることを提案した。
私はその場にいただけで、関係ないとも言った。
私は頑としてゆずらなかった。今までずっと一緒にやってきたのに、彼を見捨てることなど到底出来なかった。
では、と彼は別の提案をした。
しばらくほとぼりが覚めるまでばらばらに過ごして、また待ち合わせをしようと。

私は渋々頷き、いつ、どこでと問うた。

「9月に、改札で。」
9月?

問い返す前に、相棒は姿を消した。

今はまだ冬だ。9月というのは来年の9月だろうか。
仕方ない。彼がそう言うのなら。
私は駅前の改札が良く見える薬局にアルバイトに入った。

春が来て、夏が来て、やがて秋が来た。
私は毎日働きながら、改札を眺めていた。
その年の9月。
彼は姿を現わさなかった。

それから何度も9月が巡って来たが、やはり彼に会うことはなかった。

春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て。
私はいつしか薬局の店長になっていた。

ある日いつものように働いていると、改札の前に男が立っていた。
彼だった。
いくらか老けていて、いくらか痩せていた。
慌てて店を飛び出し、駆け寄ると、彼は唇の端だけ微かに上げて言った。
「9月だ。行こう。」
ためらうことはなかった。
白衣のまま改札をくぐった。

振り替えることなく歩を進めながら、多分もう二度と戻ることはないとだけ感じていた。
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by nyankoya | 2005-12-21 09:38 |

秋刀魚と大福

10日ぶりに仕事でした。
案の定溜まっていましたが、適当に切り上げて帰宅中。今日はリハビリということで。

久々に夢を見ました。
どうということはないけど、なんだかいい夢でした。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
金物屋の瓦屋根の上に、一匹の小鬼を見つけた。
真っ赤な肌に黒い髪。小さな角が二本。
小鬼ながらするどい牙が上顎からにょっきりと生えている。
黒目がちで大きな瞳が存外にかわいらしい。

所在無げにこちらを見下ろしているかと思えば、どうやら私の手の中の紙袋に興味があるらしい。
包みの中には、買ったばかりの大福が入っていた。
試しにひとつを取り出してひらひらと振って見せると、小鬼は物欲しそうに首を伸ばし、ごくりと喉を鳴らした。

餓鬼は物を食そうとすると、その食物が炎に変わってしまうので食べられないと聞いたが、つぶらな瞳に負けて、大福を瓦屋根の上へと放り投げた。
小鬼は大福を上手にキャッチして、予想に反してぺろりと飲み込んでしまった。
うまそうににこにこと笑う。
なんとなく嬉しくなって、次々と大福を放り投げてやる。
結局持っていた大福を全部小鬼にやってしまった。

最後に空の紙袋を逆さにして示すと、小鬼はうんうんと二回頷いて、ぽんと消えてしまった。

次の日また金物屋の前を通ると、ふいに頭上から秋刀魚が降ってきた。
脂の乗り切ったそれらは、まだぴちぴちと飛び跳ねている。
瓦屋根の上を振り仰いだが、誰もいない。でも多分小鬼のしわざだろう。
なんておおざっぱな…と思いながら、きっちり大福分あった秋刀魚を拾い集めて持ち帰った。

焼いて食べようと思ったのに、その前に目が覚めてしまった。
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by nyankoya | 2005-12-05 20:58 |

耳鳴りのする部屋。

またしても久々です。

毎回同じことばかり書きますが、忙しくて忙しくてもー…。
もう少しゆとりのある環境に行きたいんですが、
それはそれで今度は怠け虫がむくむくと…なるんでしょうか。

人間というのは勝手な生き物です。
単に私の意志が弱いだけという話もありますが。

昨夜の夢です。

私は、妄想癖が激しすぎるせいか、おかしな夢をよく見ます。


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光差し込む部屋で、珈琲を淹れていた。

台形の窓の外には、ゆがんだ海。
空を翔る梟。
ウィンドベルがからりと鳴って、レースのカーテンがふわりと揺れる。

耳鳴りのする部屋。
珈琲の湯気が奇妙な螺旋を描く。

最後のひとくちをすすると、
ぱかりと背後の扉が開いた。

鳴り止まない耳鳴りを抱えて扉をくぐると、
長い長い廊下。
ぱたくたとスリッパを引きずりながら歩いて、つきあたりのノブをひねる。

白いスクリーンに一人がけのソファ。
ソファにそっと腰掛けると、プロジェクターがひとりでに回りだす。
10・9・8・7…
さかさまの数字がカウントダウンして、
台形の窓を映し出した。

ノイズの混じる光がはたはたとスクリーンに落とされる。
珈琲を入れる女の後姿。
ぼんやりとカップを口につけて飲み干し、
扉を開いて出て行った。

ぱたくたとスリッパを引きずる足音が聞こえる。
あわてて外へ出ると、
足音は止んで、スリッパだけが脱ぎ散らかされていた。

先ほどはなかった外へ通じる扉を開くと、
一羽の梟が飛び去っていった。

耳鳴りが止んだ。
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by nyankoya | 2005-11-04 23:31 |

石畳の街

なんだかとっても眠いです。
眠くて眠くてもー…。

せっかくのお休みだというのに、一日中寝ておりました。
こういうのは1、2ヶ月に1ぺんくらいあります。

きっと根っからのなまけものなのでしょう。

うとうととしていると、夢を見ました。
たまに見る夢です。


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石畳の街だった。

ここがどこだか知っている。
ここがどこだかわからない。

白い壁を伝って街を歩くと、図書館に着いた。
重たい扉。
吹き抜けの天井。
壁を覆いつくす書物の群れ。
天窓から差し込む光。

見知らぬ言葉で書かれた本。
深海魚のような司書たち。

鈴の音が聞こえて振り向くと、赤い風船の残像。
追いかけて外へ出ると、少年が立っていた。
半ズボンに蝶ネクタイ。
粋なのか野暮なのか。

2本足で立つ子豚の手を引いて、彼は無表情に私を見つめる。
子豚はつぶらな瞳。小さなひづめに赤い風船。
首には銀の鈴。水玉模様のスカート。

「妹。」

彼は言った。
子豚はかわいらしい鼻をぴくぴくと動かすだけ。

「どうして妹が豚なの?」

私がたずねると、彼は皮肉っぽく笑って肩をすくめた。

「どうしてって、君がやったんじゃないか」

まあ、これも結構かわいいからいいんだけど、とひとりごちて、子豚の鼻をそっとなでる。

覚えがない。
困惑する私に彼は問いかける。

「今度はいつ来るの?」

わからない。

「まあ、いつでもいいや。またね」

くるりと背を向けて、子豚の手をひきひき歩いていく。
鈴がちりりと鳴った。

くるりと巻いたしっぽがキュートだった。
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by nyankoya | 2005-10-09 23:43 |


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